ヤマダ電機 売上高と従業員数のバランス

ヤマダ電機分析

今回は、家電大手の株式会社ヤマダ電機を取り上げました。実店舗で商品を確認してからネット通販で購入される方も多いと聞きます。売上高1兆6000億円を超える巨大企業㈱ヤマダ電機はこの危機を乗り切っているのでしょうか。

2007~2016年3月期の10年間を分析してみました。

今回は上記のSPLENDID21の7つのグラフと売上高の推移だけから、同社に何が起こっているか推察してみます。企業力総合評価が直近、反転しましたが、長く悪化トレンドでした。各親指標を見てみると、安全性以外は青信号領域内を明確な悪化トレンドで、悪化に対する危機感は希薄であったと思われます。
営業効率(儲かるか指標)、資本効率(資本の利用度)は、2015年に赤信号に近づき、2016年反転しました。「間に合った!」という感じです。
生産効率(人の活用度)は、直近3年は下げ止まったものの、ほぼ反転することなく悪化しています。生産効率は、主に売上と従業員数の関係ですから、従業員数が過剰になってきていると思われます。2011年までは増収ですから、売上高の増加以上に従業員が増え、それ以降は概ね減収ですから、減収以上に従業員は減らさなかったのでしょう。
資産効率(資産の利用度)も激しく悪化しています。増収よりも総資産が増加し、減収になっても総資産が減らないなど水ぶくれが起きています。守りに注力しなければならない時に攻め続けると起こる現象です。
流動性(短期資金繰り)は、2014年まで悪化トレンドでしたが反転しました。安全性(長期資金繰り)は比較的安定しています。営業効率が青信号領域である為、利益剰余金が増えているのではないでしょうか。
いかがでしょうか。10年間という長い期間の企業力総合評価、親指標、売上高の推移を縦覧すると、㈱ヤマダ電機の進んできた大まかな流れと、問題点が自然とイメージできたのではないでしょうか。
増収を狙い、攻めの経営をすれば、従業員増加、資産増加になります。実際、そうなっています。SPLENDID21のグラフから読むことで、生産効率はどうなっているか、資産効率はどうかなど、通常気付きにくい指標を捉えることが出来ますし、それが悪化の先行指標であることに気付きます。
貴方は、攻めの経営とは具体的に何をしたのかについて気になりましたか。後述します。

生産効率の各下位指標を見てみましょう。

数字を横に読んで下さい。
従業員数は2007年と2016年の比較では、13825人から29402人ですので、倍以上増加していますが、売上高は1兆4436億円から1兆6127億円とさほど増加していません。その為1人当たり売上高は1億442万円から5485万円と半減しています。貴方は1人当たり売上から、どの時期に、この指標の悪化に危機感を持ちますか。多くの人は2012年と答えるのではないでしょうか。上の生産効率の親指標のがこれに該当します。グラフの悪化の形状も危機感を適確に表していることが分かるでしょう。数字を横に読むことによって、数字の変動をいつ、どう評価すべきかがわかります。

店舗数は698店(2012年)→972店→985店→1016店→947店(2016年)と推移しています。2015年までは拡大・攻めの一途で、これが資産効率悪化の原因です。2016年に不採算店の撤退などに着手しました。それが功を奏して営業効率改善に向かった訳ですが、2012年の生産効率に気付いていれば営業効率○も悪化することはなかったでしょう。2012年から2016年の4年の時間の経過は気づきの遅さいうことでしょう。

財務分析は沢山あり過ぎて重要指標を見逃してしまうリスクがあります。
天才棋士が瞬時に勝てる手を思いつくのは、どうでもよい手を捨ててしまい、重要な局面のみを選択し、深く考えるからであり、決して全ての手を考えて選択している訳ではないそうです。
重要な局面を抽出するには、イメージでずばっと把握することが有効なのです。

まとめ
㈱ヤマダ電機は2016年から、改善の一歩を踏み出しました。しかし、それより4年前の2012年の段階の生産効率は悪化のグラフで、厳しい未来を予測できていました。

SPLENDID21NEWS第130号【2016年9月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。

sp21news130ヤマダ電機

 

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

書籍の購入はこちら

書籍の購入はこちら

セミナー情報

セミナー情報

アーカイブ

ページ上部へ戻る