ココカラファイン 翌期成長するかの検証

ココカラファイン利益率分析

今回は、株式会社ココカラファインを取り上げました。日本全国にドラッグストア・調剤事業を主軸1300店舗展開する売上規模5位の会社です

2007年~20016年3月期までの10年間を分析してみました。

ココカラファイン分析

上記グラフを見て、今回の分析の主眼とすべきはどこであると考えますか。ズバリ、2016年に示されている「転じた成長トレンドは、今後も継続するか」です。

なぜその視点が最重要であるかは、2009~2015年までが緩やかな悪化トレンドであることが理由の1つです。そして、営業効率、資本効率、生産効率の企業の活動性を示す3親指標の不安定さが理由の2つ目に上げられます。

それではいつものように、企業力総合評価と親指標を読んでみましょう。

企業力総合評価は126.80P→127.68P→130.76P(2009年)→126.92P→124.33P
→127.68P→126.14P→119.32P→115.77P→129.31Pと推移しています。2009年に最高ポイントを付けた以降ジワジワと悪化トレンドです。この悪化は、㈱ココカラファイン自身も気付いていないでしょう。

営業効率(儲かるか)、資本効率(資本利用度)は、2011~2013年は高い位置にありますが、急落し2016年V字回復しました。

ココカラファイン増加率時系列グラフ

生産効率(人の利用度)は、乱高下が激しく悪化トレンドです。M&Aを繰り返す企業はこうなる傾向にあり、人の管理ができていないことを示します。売上高増加率と従業員増加率の縦軸の目盛りがそれを物語っています。そして、人は人件費がかかりますから、生産効率の不安定は営業効率の不安定につながるケースも多くあります。

資産効率(資産の利用度)は、資産増加より売上増加が多いことを示しています。増収を目指す会社に多い傾向です。売上高増加率と総資本増加率をご覧ください。

流動性(短期資金繰り)は、乱高下を繰り返しながらも改善トレンドになりました。

安全性(長期資金繰り)は、高位安定を示しています。上場企業ならではの評価でしょう。

2016年の営業効率の中身を確認することで、今後成長は軌道に乗るか否かが分かります。

ココカラファイン売上高利益率時系列データ

営業効率の改善をけん引したのは、売上高総利益率ではなく、売上高営業利益率です。

それは、利益の取れるモノを重点的に売ろうとしないか、売ろうとしたができなかったかを示します。SPLENDID21NEWS第135号パナソニックで取り上げたような売上高総利益率が成長の先行指標との考えは希薄で、販管費の調整でとどまっています。その意味で、2017年3月期の決算では、企業力の改善トレンドは失速する可能性が大きいといえます。

このような傾向はいつ始まったのでしょうか。

売上高・売上原価の2005年度比を調べてみました。

2009年以降売上が急増してから、両者の2005年度比がかい離し始めました。

利益より売上高を追い始めたのがこの時期にあたります。2009年といえば企業力総合評価が最高点の年でしたね。

まとめ

㈱ココカラファインの2016年の改善は失速する可能性を秘めています。今、ドラッグストア・調剤薬局業界はM&Aによる規模拡大競争を繰り広げています。規模拡大自体は良いのですが、他の指標のバランスを欠くと、企業力は改善しません。バランスを保ちながら企業力総合評価も改善させる企業をベンチマークしたいものです。

貴方はどの会社が、ベンチマークに適切だと思われますか。

もっと知りたい!(次をクリックしてください)「売上高総利益(率)、販管費(率)、売上高営業利益(率)の関係をもう少し

SPLENDID21NEWS第136号【2017年3月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。

sp21news136ココカラファイン

 

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