資金繰り

減収下での売上高利益率をいかに維持するか ノエビア 




今回は、ノエビア株式会社を取り上げました。ノエビア?は、1964年会長の大倉昊氏が貿易業を創業されたことに始まります。1978年ノエビア化粧品の製造・販売を開始し、今では、食品事業、医療品事業、ボディファッションやアパレル、航空関連事業をされています。事業選択で「勝ち馬に乗ることに長けた会社かも」が私の最初の印象です。

それでは分析を見てみましょう。

企業力総合評価は162.79→163.81→166.13→165.29→163.81と160ポイント台を安定しています。

下位親指標を見ると、安全性(長期資金繰り指標)が改善しており、営業効率(儲けの指標)、資本効率(資本の利用度指標)、生産効率(人の利用度)の下落を相殺しています。

2008年の安全性の急改善は60億円の増資(払込資本は75%増加)によるものです。リーマン・ショック前に増資し、借入金を減少させているところなど、福の神様でもついているのでしょうか。

資産効率(資産の利用度)はドップリと赤信号領域、流動性(短期資金繰り指標)は天井値と定位置です。

営業効率の各下位指標を見てみましょう。

売上高は4年間で11.4%、67億6436万円減少しています。女性の化粧品にかけるお金が30%ほど減ったとテレビのニュースでやっていました。デフレ、価格競争、リーマン・ショックと外部環境が厳しい中、全社の営業利益率の下落は1.21%で踏みとどまっています

セグメント別の売上高、営業利益率、従業者数のグラフを見てください。

ノエビア?の主力セグメントは化粧品事業であり、営業利益率も高く、従業者数もダントツ多いですね。

食品事業は2010年営業利益率が悪化しましたが、改善トレンドになってきました。ノエビア?の2本目の柱となるでしょう。利益率改善のテコ入れをしてくるでしょう。

それに対し、医薬品事業は苦戦しています。営業損失を4期連続出しています。食品事業と同じくらいの従業者数です。医薬品事業は、常盤薬品工業?他3社で行っていますが、内2社は持分法非適用関連会社ですので、上記数字には反映されていません。財務体質が良いノエビア?のこと、M&Aの買いか売りをする可能性があります。つまり、医薬品事業を売却するか、他社の医薬品事業を購入することによって、業績回復を図る可能性があります。

まとめ 

財務体質が良く、高い収益性のノエビア株式会社はどんな手を打ってくるのでしょうか。ノエビア株式会社の苦悩を示すようなNEWSになりましたが、今後の展開を注視したいと思いました。

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SPLENDID21NEWS第66号【2011年5月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。

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