人材活用度

米Amazon らしからぬ




日本人で知らない人はいない世界的ECサイト会社Amazon。当初、書籍でしたが、今では売っていないのは人間ぐらい?と思うほどなんでも売っています。

?企業分析総覧?米Amazon

2009~2018年12月期までの10年を分析しました。円単位表示は@112円/$換算額です。

企業力総合評価は141.84 →140.18 →119.80(2011年) →107.90 →105.11→99.15(2014年) →104.94→112.25→103.80→122.61Pと推移しています。営業効率・資本効率は持ち直したものの、多くの親指標も不安定で悪化トレンドです。
Amazonのイメージと大きくかけ離れて感じる方も多いことと思います。
営業効率・資本効率は2012~2014年の3期赤信号領域で儲からない状況で、2015年青信号に浮上しましたがぎりぎりでした。下記のAmazon 売上高のグラフを見てください。その後売上高に加速度がつき浮上しました。
生産効率は2009~2010年はほぼ変わりませんが、その後2017年まで悪化し続けました。
資産効率もほぼ悪化トレンドです。増収の中、資産が膨張しているのでしょう。
財務体質を示す流動性・安全性も悪化トレンドでほぼ赤信号領域です。

儲かるか?と問われれば、そうでない時期もありました! 米Amazon 企業分析

営業効率の各下位指標をみてみましょう。
Amazonの売上高のグラフは見事なものです。2009年2兆7450億円が2018年26兆833億円ですから9年間で10倍です。営業効率が中落ちしているのは、売上高総利益率の安定した改善の中、販売費及び一般管理費の増大により、売上高営業利益率が悪化しているからです。2012年2014年は最終赤字でした。

ECサイトらしからぬ1人当たり売上高?米Amazon

特筆すべきは生産効率でしょう。

2009年24,300人であった従業員数は2018年には647,500人と27倍になりました。この間、売上高は10倍ですから1億1400万円あった1人当たり売上高2017年には3500万円になってしまったことも納得できます.

ECサイトらしからぬ1人当たり売上高は、売上高総利益率の改善と絡めてドリルダウン(データ集計や分析で用いる手法の一つで、集計範囲を一段階絞ってより詳細な集計を行うこと)するとよいでしょう。

財務会計・鳥の目と管理会計・虫の目 米Amazon

この、ドリルダウンの方向性を決めるのが、財務会計です。管理会計を重要とばかりに財務会計を疎かにする会社があります。管理会計の重要性は言うまでもありませんが、財務会計を使って経営を俯瞰してドリルダウンしなければ、優先順位の高い問題点を外す可能性があります。

まとめ

もし、貴方がAmazonの経営陣なら、どうドリルダウンしますか。これに答えることができなければ、改善点は見つからず、数字を根拠にした経営計画立案も難しくなります。

編集後記 外国の会社の分析も依頼されるようになりました。外貨のまままでも分析可能ですが、本稿は円貨で書きました。(^_-)-☆ 文責JY
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SPLENDID21NEWS第163号【2019年6月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。

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