M&A・破綻・その他

ITイマドキ社長?意外に古風 スカイチケットの株式会社アドベンチャー




どうやって行けばいいの? 知らないところへ行くとき、誰もがスカイチケットのサイトにお世話
になっているのではないでしょうか。世界中の航空会社の情報を集めて、安いチケットを購入できるサイトを運営している株式会社アドベンチャーです。

株式会社アドベンチャーの2015~2022年6月期までの8年間の連結財務諸表を分析しました。

2017年までは、営業効率・資本効率・生産効率・資産効率が右肩上がりで、攻めの経営であったが流動性が悪化したので企業職総合評価は右肩下がりになった。

2018~2020年は営業効率・資本効率・流動性・安全性の悪化が重なり、企業力総合評価は100ポイントギリギリになった。

2021年以降、資産効率を除きすべて右肩上がりで企業力総合評価を大きく改善させた。

株式会社アドベンチャーの8年は、概ねこのような3つのステージに分かれます。

BSバランスを見ると一目瞭然です。2017年まで、新興企業として十分な純資産を増加させています。

2018年2019年は短期有利子負債・仕入債務を増加させ、それに伴い流動資産も増加しました。2019年まで強烈な増収ですので、増資による資金調達をしそうなものですが、負債を増やしました。もう少し見極めたいと考えたのかもしれません。増収だったら利益も上がって、もっと強気になってもおかしくありませんが、増収だから儲かるようになったわけではありません。増収の多くを広告宣伝費につぎ込んで利益は少なかったのです。攻めの資金は自社で稼いで、資金繰り不安は銀行借入で賄っており、イマドキの若手IT経営者というより、少し古風な感じがして好感を持ちます。古風に好感を持つかどうかは個人的な感覚で、逆を感じる方もあるかもしれません。

株式会社アドベンチャーの売上高・広告宣伝費・売上高広告宣伝費比率のグラフを示します。
2017年までは、実に売上高の70%近くまで広告宣伝費を使っていました。その後下がりましたが、
M&Aをして増収したこともありますし、広告のかけ方がうまくなったかもしれません。

2020~2022年にかけての減収が気になりますか。2021年に株式会社wundou、株式会社ギャラリーレア及び株式会社EDIST、2022年にコスミック流通産業株式会社及びコスミックGCシステム株式会社の全5社の子会社株式を売却したため生じました。各年度の合計値の損益はプラスですので、赤字の子会社ばかりを売却したのではなく、収益性の低い会社を売却したようです。営業効率の改善が納得できます。

むやみに増収を追い求めるのではなく、手を広げすぎて膨張し儲からなくなったものを手放すということでしょう。

先ほど感じた好感は間違ってなかったようです。財務諸表(決算書)は経営者を映し出します。

スカイチケットのサイトは18言語対応しています。今のところ、日本人の利用が圧倒的に多いようですが、今後が楽しみです。

まとめ

株式会社アドベンチャーの社長は、イマドキIT若手経営者という括りで語られるかもしれませんが、自分で背負うべきものは背負う、恰好ばかり気にしない、など堅実な方なのでしょう。

編集後記 仁和寺の御室桜を見てきました。別名おかめ桜。鼻が低い→花が低いで、目の高さで花が咲きます。とっても綺麗でした。     文責JY

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