5-1成長性って一般的には大きくなること

成長性の財務指標を他と比べて仲間外れです。

他の財務指標は、同じ期の決算書の数字や従業員数同士で割ったい割られたりしますが、成長性は過去からどうなっかなので、他の期のデータを使います。売上高増加率とか、経常利益〇年度比(〇は分析者が任意に設定)といった指標です。

売上高増加率の計算式は、( 前期売上高 - 当期売上高 )÷ 前期売上高 で、

売上高○年度比の計算式は、当期売上高 ÷ 〇年度売上高 です。

いずれも時系列分析をするとその傾向を読むことが出来ます。「売上高」と記載してあるところを任意に変更することが出来ますが、実数の財務指標を入れるのが基本です。売上高経常利益率の成長は、売上高経常利益率自体を時系列で観察した方が、分かりやすい為です。ここでは、経常利益、売上高、総資産、従業員数の成長性を考えてみます。

過去が下、未来が上の時間軸を描きました。成長性以外の財務指標は「ある時点」の決算書の数字を基データにして出しますが、成長性の指標は、同じ財務指標を時系列でみていきます。

子どもが成長したといえば背が3センチ伸びたとか、過去から現在への変化をとらえます。それと同じことです。

経常利益増加率、経常利益〇年度比は、重要な成長指標です。営業効率の講で記載した通り、経常利益は財務コストも考慮に入れた利益ですから、企業の実力を示す利益ですし、財務体質を改善する力がありますから、増加することは企業を成長させます。但し、経常利益が増加しても、総資産が膨らみ過ぎていれば、資本効率が悪化しますし、売上高の増加が勝れば、営業効率が悪化するので、バランスを見ながら評価する必要があります。

売上高増加率、売上高〇年度比は、攻め力を表す重要な成長指標です。成熟した日本社会において、売上高の成長性指標が高いとは、新製品を開発してそれが売れている、新しいビジネスモデルでどんどん売れる、辣腕営業マンが多数いる、など攻めが強くないと達成できないからです。売上高が増加していても経常利益が増加していなければ仕方ありません。売上高が増加すると総資産は増加する傾向にあるので、ボリューム(売上高・総資産)ばかりが大きく、実(経常利益)の少ない会社になる可能性があります。

総資産増加率、総資産〇年度比は、攻めに強ければ、投資をすれば、M&Aをすれば、管理怠慢であれば、増加する可能性があります。並列に並べましたが、それぞれは総資産の中身を時系列で読むことです。

従業員増加率、従業員〇年度比は、リストラ、M&A、攻めの強い経営をすれば増加する傾向にあります。従業員が増加すれば、売上高が上がる傾向にありますが、売る仕組みが構築できていないと、1人当たり売上高は悪化します。

これら成長性の指標は、企業が何を大切に経営しているかを明確に示します。

カルビーの4つの成長性指標を見てみましょう。

素直に読めば、カルビーは徹底的に経常利益を高めようとしている。2番目に大事なのは投資。総資産額が増えている。投資をすれば売上高はついてくると思っているのか3番目。従業員は優秀な人しか残れない、っと読めます。

この志向なら企業はぐんぐん成長します。生産効率は、従業員数<売上高なので、ぐんぐん改善し、資産効率は、総資産>売上高なので悪化トレンド。利益は営業効率・資本効率・安全性を改善するので、企業力総合評価は力強く右肩上がりになります。

さて、この会社、投資に見合う売上高を今後上げることが出来るでしょうか。他の数値を使って推論していますのでそちらをご覧下さい。

ソニーの増加率の指標を読んでみましょう。

ソニーは従業員はどんどん減らしていますが、総資本(資産)は増加しています。人をリストラしても資産のリストラはしない会社なのです。これはリストラの片手落ちになります。成長の悪循環に入っているでしょう。

詳しい解説はこちらをご覧下さい。

成長の善循環をしているカルビー、V字回復が遅れるソニー。どちらも成長性の指標がその成功要因、失敗要因を上手く説明しています。

成長性の指標は、複眼的に見れば、バランスが良く見えるのが特徴です。

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