M&A・破綻・その他

吉か凶か ニデックの傘下に入ったニデックオーケーケー




ニデックオーケーケー株式会社を知っていますか。2022年2月にニデック株式会社(日本電産)の傘下に入り、2023年2月に上場廃止になりました。M&Aは日常茶飯事になりましたが、「買った会社、売られた会社にとってどうだったの?」ハッピーかアンハッピーかを今後、成長するかどうかという視点で読み解きます。

経営を俯瞰する ニデックオーケーケー

ニデックオーケーケー株式会社の2014~2022年3月期までの9年間の連結財務諸表を分析しました。

企業力総合評価は10年間悪化トレンドです。営業効率・資本効率・生産効率・資産効率の悪化が大きな原因です。

特に営業効率・資本効率の悪化が酷く厳しい状況です。

生産効率も2016年から始まる6年連続悪化が見過ごされてきました。

営業効率・資本効率・生産効率の3指標が奮わない会社は、社内の空気に覇気がなく、どんよりしています。

営業効率が回復していない2018年に従業員数を増加させているのも謎です(117人・16%増)。2020年減損損失計上により固定資産を減らしましたが、その後、資産効率も営業効率を回復させませんでした。

このようなことが折り重なって、ニデック株式会社の傘下に入り、立て直しを期待したのでしょう。

営業効率はどうなっているか ニデックオーケーケー

営業効率各下位指標を示します。

売上高総利益率は、2022年25.39%と優良企業のダイフクの18.2%より良い数字です。製造業の他社と比べても遜色ないはずです。2020年から始まった大きな減収は厳しいですが、営業効率親指標が底値を付けたのは、販売費及び一般管理費の対売上高弾力性が低すぎるためです。売上原価の弾力性と大きな差異があります。

生産効率はどうなっているか ニデックオーケーケー

生産効率各下位指標を見て下さい。

業績が悪化しても従業員数は2018年に増加したまま、殆ど変わりません。人は聖域なのでしょうか。

ニデックオーケーケーはニデックの傘下に入ってオーケー

ニデックオーケーケー株式会社は、ニデック株式会社の子会社になって、成長に転ずるのでしょうか。

答えはYES。

その答えはニデック株式会社の分析を見ればわかります。

ニデック株式会社は、M&Aをして売上高は増収になりますが、従業員数は増えず、生産効率は上がります。営業効率はほぼ天井値を付けています。2022年3月発行のコラムに詳細が記載されています。沢山の子会社を買収していますが、この傾向は変わりません。【2022年3月コラムはここをクリック】

ニデック株式会社は、子会社を鍛えて優良企業にする力があります。ただしのれんの問題はあります。

まとめ

ニデックオーケー株式会社はニデック株式会社の傘下に入って正解でしょう。ニデック株式会社も自社の経営手腕を発揮できます。
概ね、ハッピーM&Aではないでしょうか。
ただし、ニデック株式会社は規模拡大とともに、欲しいと思う会社の企業規模も大きくなり、案件数が減り、割高になり、のれんなど無形固定資産が増える傾向にあります。償却してもあまりある利益にもっていけなければ、ニデック株式会社のハッピー度は減っていきます。

編集後記 ハッピー○○って良いですよね。しらんけど   (^^♪文責JY

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